Winery Policy 自然との調和を大切にしたワイン造り
PORTFOLIO Wineryは、ナパ・ヴァレーの東側に位置し、緑に囲まれた自宅の横にある小さなワイナリーです。高台にあるため、ナパの山並みが綺麗に見渡せ、庭には野生の動物が顔を出します。
葡萄の収穫時期が近づくと、畑の中を歩き回り、葡萄の味わい、果実とタンニンの成熟度を確認し、収穫日を決めます。葡萄の収穫は全て手摘みで行われ、35ポンド(約16kg)という小さなバスケットで運ばれます。テロワールの個性を活かすため、自然酵母のみを使用し、発酵を行います。発酵期間中は、必要に応じて数回の撹拌作業を行います。通常より長めの醸しを行い、毎日ワインのサンプルを採り、丹念に一つひとつのロットを評価し、香りやタンニン、口当たりの変化を細かく記録。その上で、果皮とワインを分離し、圧搾する最適な日取りを決めます。そしてワインは100%フレンチオークの新樽に詰められます。
ポートフォリオは、「ポンプを一切使用しない」という強いポリシーを持っています。ワインへの負担を最小限に抑えるため、全プロセスにおいて、重力の力のみで果実やワインを移動させる“グラヴィティー・フロー方式”を採用。大きなワイナリーではこの方式がシステム化されていますが、ここでは、樽をひとつずつフォークリフトで持ち上げ、ゆっくりと時間をかけてワインを移動させているのです。
こうして樽に詰められたワインは、年間を通じて常に摂氏15.6度、湿度70%に設定された環境でゆっくりと熟成されます。胎児が母のお腹で眠るようにワインを育てたいという想いから、ワインの熟成期間中は毎日モーツアルトの音楽を聴かせています。18ヵ月の熟成期間中、澱引きを数回行うことにより、澄んだ味わい、洗練されたタンニンを持つようになります。フレンチオーク樽はタランソー社、ロードゥ社、ヴィカル社、セガン社のものを使用しており、フルーツ味溢れるワインにスパイスや複雑味を加えてくれます。
そしてワインの風味を最大限に活かすため、清澄も濾過を行わず、フィルターを通さずに手作業で瓶詰めされます。最後のラベル貼りも1本1本手作業で行われているのです。